アートは経営学問である – RE-Business

アートは経営学問である

今日はどんな会社においても「センス」を磨くことが非常に重要であり、売上にも直結する!

というお話をしたい。

以前、ドイツに仕事でお邪魔したことがある。ドイツでは『アートは経営学もんである』というポリシーを持っている企業が多くあり、心の底から衝撃を受けた。ここで言うアートというのは、大げさな芸術性やプロの画家を社員として採用するというものではない。

どちらかというと、プロダクト(製品)へのセンスや、マーケティング(広告)のセンスの事を指している。

1つの事例としてドイツのウルト(wuerth)という会社を紹介する。ウルトはわかりやすく言うとドイツのトラスコ中山だ。創業期の頃はネジ屋さんであり、地元で小さな金物屋さんとして創業した。

しかし現在では、(以下ウィキペディア引用)

ウルトグループはドイツ本国において280支店、世界86カ国においては、Wurth Electronic、Wurth Solar、Wurth Woodなどを始め幅広い分野でグループ会社400社以上を保有。ウルトグループのマーケットは、その国々によって様々で、自動車をはじめ運送・金属電機住宅建設製造などの分野において、アッセンブリー・メンテナンス・修理用製品など約100,000点を取扱っている。自動車業界においてウルトの製品は、ダイムラー・クライスラーAGにおいて全世界推進認定を、BMW AGにおいて推進認定を受けている。また、F1界でもその品質の高さを評価され、複数のチームに採用されてきた。

ご覧の通り、世界86カ国に販売網を拡大するBtoB工具メーカーに成長した。主に自動車関係の部品や工具をファブレスメーカーとして製造し、世界に契約社員的な制度(成功報酬)でセールスマンを拡大している。

このウルトの凄さは、製品1つ1つが高価であるという点。

実際にプロダクトマネージャーに「なぜウルトが販売する製品が他と比べて高価なのか!?」という質問をぶつけてみたところ、返ってきた返答は、

「我々は他では絶対にアウトプットできないデザインにこだわっているから」

「ウルトの製品を手にするユーザーはそのデザインに魅了され、二度と他の同等製品を触れることができなくなる」

 

とのこと。まるでAppleのプレゼンテーションを聞いているかのような印象を受けた。

ウルトはこの回答からも伺える通り、「アートを経営学問」として位置づけ、社員にもアートセンスを自主的に学ぶように斡旋している。

具体的にはなんと、ウルト本社にはドデカい美術館がある。(下の写真がそれ)

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館内は撮影禁止だったので簡単に説明すると、ウルトの経営陣が世界中から素晴らしい美術品をコレクションし、それらを展示してあった。また、ウルトの創業期に自社で設計、製造したネジも一部展示されていた。

これだけでなく、ウルトは世界中に4箇所、会社のお金を使って美術館を設立し、一般公開しているという。

また、社員にも「美術休暇」というものが設けられており、年間農地16日間「アートを鑑賞するための休暇」が設けられている。これには正直驚いた。マネージャー曰く、美術休暇の取得率は6割を超えるという。

もちろん美術休暇中に訪れた美術鑑賞に必要となった経費は会社が負担するという。

ここまで社員の芸術性を高めるウルトの製品はやはり見た目だけでなく、そのスタイルも抜群に他とは違って見える。実際にユーザーの声をPVで拝見したが、ユーザーが口にする言葉は、

「単にカッコイイだけでなく、手にフィットするグリップ感が他とは違う」

など、工具1つをとってもグリップに最適なデザインを隅々まで考えられた設計になっている。

710 x 350 2-01

つまりデザインとは見た目だけではなく、そのカタチにも深いこだわりが秘められているのだ。

本社外観も「シンプルを追求し、人々を惹きつけるデザイン」を重視したという。

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ウルトは世界中の展示会にも積極的に参加しているが、ブースがとにかくカッコイイ。

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ユーザーの多くが自動車関係であり、中小企業がほとんど。

「こうした会社のオーナーは車が好きで、カッコイイデザインに惹かれる。そしてそれらはあまりに複雑ではいけない。」まさにウルトのマネージャーがぼくに語ってくれたことがアウトプットされている展示ブースを拝見してこれまた頭が下がった。

 

実はウルトだけでなく、ドイツの企業は「デザインは経営学もんである」という言葉がいたるところに拝見できた。

経営理念はもちろん、オフィスの中にも同じ言葉を書かれたおしゃれな看板が掲げられていた。

 

驚いたのは会社案内が絵本のところがあったことだ。なぜ絵本で会社案内を作っているのか!?と伺えば、

「これを読んだ幼い子供達が、いつかうちの会社に入社したいと思ってもらえるように。未来、ともに仕事をする仲間に向けた絵本なんです」ということだったが、もう感服だ。

 

見た目だけで差別化が図れる

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ウルトやドイツ企業の話をすると、ちょっとぶっ飛んで聞こえてしまう人もいるかもしれない。

だけど、実はこの「アートセンス」だけで他との差別化が可能なのだ。広告1つをとって考えてみてもらえればいい。明らかにエクセルで手作りしたチラシ広告と、プロのアーティストが作成したものだと雲泥の差が出る。

実際に同じ内容の広告で効果測定をしたことがあるのだけれど、ぼくらがディレクションしたセンスある広告は素人が手作りしたものと比べて4倍近い結果を生み出すことができた。もはや見た目だけで売上を大きく左右することが実証されたわけだ。

センスある企業の代表例として常に上位に君臨するのがAppleだ。

Appleの広告デザインを12年に渡り監修したケン・シーガルさんの書籍が最近出たが、ここにその理由と原則が詳しく書かれている。

最強のシンプル思考 最高の結果を出すためのたった一つのルール

アートセンスに疎い企業であっても、その重要性くらいはわかるので是非読んでみてもいいと思う。

最近クライアントさんの名刺を刷新するお手伝いをしたが、これまでとは刷新したハイデザインな名刺を作らせてもらった。何よりもそれを持つ社員さんのモチベーションが上がっているということを社長から直接聞くと、デザインが人の心を大きく動かすことがわかった。

見た目だけでここまで変わるのだ。

 

社員のモチベーションを刺激せよ

Workplace with computer on table in modern room

ここまで「アートは経営学問である」という話をしてきたけど、じゃあ実際に普通の会社がこれからどうやって芸術性!?を手に入れることができるのか。正直難しい問題だ。

芸術大学卒業の新卒を採用したところで、どう付き合っていけばいいのかわからない。

社員に芸術の勉強をさせると言っても、何をどう勉強させればいいのか当然イメージできないだろう。

これも実はウルトに訪問した際にぼく自身が実際にマネージャークラスの方にぶつけた質問の1つ、

「どうすれば普通の会社がウルトのように芸術性を社員に持たせることができますか!?」これに回答してもらったのが、

 

「まずは社員に芸術という刺激を与えること。それも不自然にではなく自然に」

「例えば社内にアートを展示するところからスタートするのがいいでしょう。オフィスはもちろん、打ち合わせルームや会議室。時にはトイレやエレベーターの中にも展示するのがいいでしょう」

 

彼の言葉を続けると、

アートを社内に展示することで、社員に刺激を与えることができるという。

目に見える形でアートを導入し、企業文化を作っていくことが必要なのだ。

 

ぼくはもちろんレンタルオタクなのですぐに、「絵画レンタル」という方法が頭によぎった。

国内にはいくつか絵画をレンタルしてくれるサービスがある。

Casieはアーティストが描いた作品を3ヶ月に1回ほどのペースで着せ替えができるようだ。価格は毎月4,800円。着せ替えができると思えばまぁ高い値段ではないだろう。資料請求をするとCasieが保有する作品一覧のカタログがもらえる。じっくり眺めながら選ぶのもいい。

  なかなかいけてる感じの絵がある。個人宅にも貸し出しているみたい!? とにかくアートを導入することでまずは、「芸術が近くにある会社」をつくることからスタートしてみるといい。 アートは経営学問である。 すでに目の前まできてる重要な経営キーワードの1つだ。どこよりも早く、この意味をキャッチし、組織文化として取り入れてもらいたい。


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Sho Fujimoto/藤本翔   藤本翔 | Sho Fujimoto Mobile🌏Bohemian | Artist 💻| CD | 6months Living🏡Osaka ✈︎ 2months work at 🏢Tokyo ✈︎ 4months Traveling🌏World | Love my Family💓  

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